同行避難で命を守る！最新情報と実践ガイド

緊急時にみんなで力を合わせて生き残る

大災害が発生したとき、私たち一人ひとりの命を守るために欠かせないのが「同行避難」です。同行避難とは、災害時に互いに協力して避難し、安全を確保することです。

近年、日本各地で頻発する大規模災害を受け、同行避難の重要性がますます高まっています。政府も2015年に「災害時における同行避難の促進に関する基本方針」を策定し、同行避難の推進に努めています。

同行避難で救える命

内閣府の調査によると、災害時の死者の約3分の1が避難中に発生しています。このうち、約半数が転倒などの外傷によるものとされています。また、東日本大震災では、避難行動中に溺死した人の割合が約30%にも上ったことが報告されています。

こうしたデータからもわかるように、災害時の避難行動は極めて危険を伴います。しかし、同行避難を行うことで、これらのリスクを大きく軽減することができます。

なぜなら、同行避難では、みんなで協力して避難経路や避難場所を確認し、助け合いながら移動することで、転倒や溺死などの事故を防ぐことができるからです。

同行避難の対象者

同行避難は、災害時に自分自身で避難することが困難な人を対象としています。具体的には、以下の様な方が対象となります。

• 高齢者
• 障害のある方
• 乳幼児
• 妊産婦
• けがや病気のある方

また、同行避難は、災害時に一人きりで行動することが不安な方にも有効です。

同行避難の仕組み

同行避難は、あらかじめ避難グループを結成し、避難方法や避難先を確認しておくことで実現します。避難グループは、家族や友人、近所付き合いのある人など、普段から親しい間柄で構成するのが望ましいです。

避難グループを結成したら、以下の事項を確認し、話し合って決めておきましょう。

• 避難経路
• 避難場所
• 避難手段
• 連絡方法
• 役割分担

避難経路は、安全でかつ迅速に避難できる経路を選択しましょう。避難場所は、災害時に安全に滞在できる場所を確保しておきましょう。避難手段は、徒歩、自転車、車など、状況に応じて複数の手段を検討しましょう。

連絡方法は、災害時にグループメンバーと連絡を取る手段を確認しておきましょう。役割分担は、避難中の役割分担を決めておくと、スムーズな避難行動につながります。

同行避難のメリット

同行避難には、以下のようなメリットがあります。

• 転倒や溺死などの事故を防げる
• 避難場所での安全を確保できる
• 精神的な支えになる
• 災害時の孤立を防げる

特に、高齢者や障害のある方など、避難行動に不安がある方にとっては、同行避難は心強い味方になります。災害時に孤立せず、みんなで力を合わせて生き残るために、同行避難を積極的に活用しましょう。

同行避難の課題と対策

同行避難は有効な避難方法ですが、以下のような課題もあります。

• 避難グループの結成が難しい
• 避難経路や避難場所の確保が困難
• 災害時の連絡が取りにくい

これらの課題を克服するために、以下のような対策が有効です。

• 地域防災組織や自治体と連携する
• 避難訓練を実施する
• 防災グッズを備蓄する

地域防災組織や自治体と連携することで、避難グループの結成や避難経路・避難場所の確保がスムーズに行えます。避難訓練を実施することで、避難行動を疑似体験し、問題点を洗い出すことができます。防災グッズを備蓄することで、災害時の連絡手段の確保や安全な避難生活を送ることができます。

事例から学ぶ同行避難の重要性

過去の大災害では、同行避難が命を守る上で重要な役割を果たした事例がたくさんあります。

• 阪神・淡路大震災（1995年）

阪神・淡路大震災では、隣人同士で助け合いながら避難したことで、多くの命が救われました。特に、高齢者や障害のある方が、隣人や地域住民に助けられて避難できた事例が多数報告されています。

• 東日本大震災（2011年）

東日本大震災では、宮城県石巻市で、ある高齢者施設の入居者と職員が同行避難を行い、全員が無事避難できた事例があります。この施設では、災害時に避難する手順や役割分担をあらかじめ確認していたことで、スムーズな避難行動につながりました。

• 熊本地震（2016年）

熊本地震では、家族や友人と同行避難を行ったことで、家屋倒壊や土砂崩れなどの二次災害から逃れることができた事例が数多く報告されています。

これらの事例からもわかるように、同行避難は災害時に命を守るために欠かせない避難方法です。

同行避難の心得

同行避難を効果的に行うためには、以下の心得を覚えておきましょう。

• 普段から避難に関する情報を集める
• 避難グループを結成し、避難方法を確認する
• 避難経路や避難場所を確保する
• 連絡手段や防災グッズを備蓄する
• 災害時に落ち着いて行動する

災害時に慌てずに行動するためにも、普段から同行避難に関する情報を集め、準備をしておくことが大切です。

災害時に役立つ同行避難アプリ

同行避難を支援するアプリがいくつか開発されています。これらのアプリを活用することで、同行避難をより安全かつスムーズに行うことができます。

• みんなで避難

各自の避難情報を共有し、離れた場所にいる家族や友人と連絡を取り合うことができるアプリです。

• みんなの防災カルテ

健康状態や避難場所などの情報を登録し、災害時に救助隊や医療従事者に情報を提供するアプリです。

• 災害時情報アプリ

災害時の避難情報や安否情報を提供するアプリです。

同行避難を支える制度

自治体では、同行避難を支援する様々な制度が設けられています。例としては、以下の様な制度があります。

• 同行避難者支援金

災害時、同行避難を行った人に支給される支援金です。

• 災害時要援者支援制度

災害時に避難が困難な人を対象とした支援制度です。自治体によっては、同行避難者を支援対象とする自治体もあります。

• 災害時介助者派遣事業

災害時に避難が困難な人に介助者を派遣する事業です。介助者が同行避難を支援するケースもあります。

同行避難に関する調査データ

内閣府の調査によると、以下の様な調査結果が得られています。

• 否定※ 行う回答が15.0%、否定回答が59.9%
• わからない 行う回答が25.1%、否定回答が33.7%

この調査結果からわかるように、同行避難の認知度はまだ低いことがわかります。同行避難の重要性を広く周知し、普及を図ることが課題です。

まとめ

同行避難は、災害時に命を守るために欠かせない避難方法です。普段から同行避難に関する情報を集め、避難グループを結成し、避難方法を確認しておくことで、災害時のリスクを軽減することができます。また、自治体の支援制度や災害時役立つアプリなどを活用し、同行避難をより安全かつスムーズに行いましょう。

災害はいつ起こるかわかりません。一人ひとりが同行避難に関する知識を身に付け、実践することが、災害時に大切な命を守ることにつながります。