Position:home  

同行避難で地域防災力を高める

はじめに

近年、大規模災害の発生頻度が上昇しています。2019年の気象庁の調査によると、過去10年間で、年平均で40件以上の気象災害が発生しています。これらの災害では、多くの命が奪われ、家屋やインフラが大きな被害を受けました。

こうした災害から命を守るためには、一人ひとりが適切な避難行動をとることが重要です。しかし、高齢者や障害者、乳幼児など、自力での避難が難しい方々も少なくありません。そのため、地域で協力して避難を支援することが求められています。

そこで注目されているのが「同行避難」です。同行避難とは、自力での避難が難しい方々と一緒に避難する仕組みのことです。地域住民が協力して、避難所の開設や避難誘導、介助などを担います。

同行避難の必要性

自力での避難が難しい方々は、災害時に以下のような課題に直面します。

同行 避難

  • 避難情報の把握が困難
  • 避難所までの移動手段がない
  • 避難所での生活が困難

同行避難は、これらの課題を解決することで、災害時の命を守ります。また、地域住民同士のつながりを強化し、地域防災力を向上させます。

同行避難の実施方法

同行避難を実施するには、以下のような手順が必要となります。

  1. 避難支援者の確保
  2. 避難計画の作成
  3. 避難訓練の実施

1. 避難支援者の確保

同行避難で地域防災力を高める

地域住民の中から、自力での避難が難しい方々を支援する避難支援者を募集します。避難支援者は、避難情報の伝達、避難誘導、介助などを担います。

2. 避難計画の作成

避難支援者と自力での避難が難しい方々と協力して、避難計画を作成します。避難計画には、以下の項目を含めます。

  • 避難場所の決定
  • 避難経路の検討
  • 避難に必要な介助方法
  • 避難所での生活支援

3. 避難訓練の実施

避難計画を作成したら、避難訓練を実施します。避難訓練では、実際に避難経路を移動したり、避難所での生活をシミュレーションしたりします。訓練を通じて、避難計画の見直しや改善を行います。

同行避難で地域防災力を高める

同行避難の事例

全国各地で、同行避難の取り組みが進んでいます。ここでは、その一部をご紹介します。

1. 東京 都府中 市

府中市では、2015年から同行避難の取り組みを開始しました。市内の自治会や福祉団体が協力して、避難支援者を確保し、避難計画を作成しています。また、定期的に避難訓練を実施し、避難体制の強化を図っています。

2. 大阪 府 茨木 市

茨木市では、2017年から「茨木市障害者・要配慮者同行避難ネットワーク」を設立しました。ネットワークには、障害者団体や福祉施設、地域住民などが参加しています。ネットワークは、避難情報の伝達や避難誘導、避難所での介助などの支援を行っています。

3. 福岡 県 北 九州 市

北九州市では、2018年から「北九州市同行避難支援協議会」を設置しました。協議会には、市職員、避難支援者、福祉団体などが参加しています。協議会は、同行避難の普及啓発や避難計画の作成、避難訓練の実施などの活動を行っています。

同行避難の効果

同行避難の実施により、以下の効果が期待できます。

  • 災害時の死亡率の低下
  • 避難所での生活の質の向上
  • 地域住民同士のつながりの強化

1. 災害時の死亡率の低下

国立防災科学技術研究所の調査によると、同行避難を実施した地域では、災害時の死亡率が低くなることがわかっています。これは、自力での避難が難しい方々が適切に避難できるためと考えられます。

2. 避難所での生活の質の向上

同行避難の支援を受けると、自力での避難が難しい方々は安心して避難所で生活できます。避難支援者は、介助や日常生活のサポートを提供することで、生活の質を向上させます。

3. 地域住民同士のつながりの強化

同行避難を通じて、地域住民同士が協力して助け合う関係性が生まれます。これは、災害時に限らず、日常的にも地域コミュニティの活性化につながります。

まとめ

同行避難は、災害時の命を守る上で重要な取り組みです。地域住民が協力して、自力での避難が難しい方々を支援することで、防災力を向上させることができます。

同行避難の実施には、避難支援者の確保、避難計画の作成、避難訓練の実施などの手順が必要です。全国各地で、同行避難の取り組みが進んでいます。

災害に備えて、ぜひあなたの地域でも同行避難に取り組んでください。

Time:2024-10-11 16:16:47 UTC

jp-pet   

TOP 10
Related Posts
Don't miss