去勢するとメリットがいっぱい！健康・行動面で大改善

去勢のメリット

去勢とは、オスの犬や猫の睾丸を除去する外科手術のことを指します。去勢には、健康面と行動面におけるメリットが数多くあります。

健康上のメリット

1. 前立腺肥大症の予防

去勢されたオスは、前立腺肥大症を発症するリスクが大幅に低くなります。前立腺肥大症は、前立腺が腫れて排尿困難を引き起こす病気です。進行すると、膀胱や尿道にダメージを与えたり、命を脅かす事態にもなりかねません。

2. 会陰ヘルニアの予防

会陰ヘルニアとは、骨盤の筋肉が弱くなり、内臓の一部が飛び出す病気です。去勢されたオスは、会陰ヘルニアを発症するリスクが低くなります。

3. 肛門腺腫瘍の予防

肛門腺腫瘍は、肛門腺にできる腫瘍です。去勢されたオスは、肛門腺腫瘍を発症するリスクが低くなります。

4. 精巣腫瘍の予防

精巣腫瘍は、精巣にできる腫瘍です。去勢されたオスは、精巣腫瘍を発症するリスクがなくなります。

行動上のメリット

1. 放浪癖の軽減

去勢されたオスは、未去勢のオスよりも放浪癖が少なくなります。これは、去勢によりテストステロンの分泌が低下し、放浪を抑制するホルモンが分泌されるためです。

2. マウンティング行動の減少

マウンティング行動とは、他の動物や人間に飛び乗って腰を振る行動です。去勢されたオスは、未去勢のオスよりもマウンティング行動が少なくなります。

3. 攻撃性の低下

去勢されたオスは、未去勢のオスよりも攻撃性が低くなります。これは、テストステロンが攻撃性に関連しているためです。

4. マーキング行動の減少

マーキング行動とは、尿や糞で縄張りを主張する行動です。去勢されたオスは、未去勢のオスよりもマーキング行動が少なくなります。

去勢のデメリット

一方、去勢にはいくつかのデメリットもあります。

1. 肥満になりやすい

去勢されたオスは、代謝が低下するため、肥満になりやすくなります。そのため、去勢後には食事量や運動量に注意する必要があります。

2. 関節炎のリスク増加

去勢されたオスは、未去勢のオスよりも関節炎のリスクが高くなります。これは、テストステロンが筋肉と骨の健康に役割を果たしているためです。

3. 尿失禁

去勢により尿道括約筋が弱くなり、尿失禁が起こることがあります。ただし、尿失禁が起こる確率は低いです。

去勢をすべきか否かの判断

去勢をするかどうかは、飼い主の判断に委ねられています。以下のような場合は、去勢を検討すべきです。

• 放浪癖やマウンティング行動など、問題行動がある場合
• 前立腺肥大症や精巣腫瘍の発症リスクを軽減したい場合
• 他のペットや家族との関係を改善したい場合

一方で、以下のような場合は、去勢を検討する必要はないかもしれません。

• 問題行動がない場合
• 繁殖を予定している場合
• 関節炎のリスクを避けたい場合

去勢の手術

去勢手術は、一般的に全身麻酔下で行われます。手術は通常1時間程度で完了します。術後は数日間安静にして、エリザベスカラーなどを付けて傷口を舐めないようにします。

表1: 健康上のメリット

表2: 行動上のメリット

表3: 去勢の適応と非適応

まとめ

去勢は、健康面と行動面におけるメリットが数多くある手術です。問題行動がある場合や前立腺肥大症や精巣腫瘍のリスクを軽減したい場合は、去勢を検討すべきです。一方で、問題行動がなく繁殖を予定している場合は、去勢を検討する必要はないかもしれません。去勢をするかどうかは、飼い主の判断に委ねられています。