はじめに
猫の飼い主なら、一度は目にしたことがあるだろう。またたび。猫に与えると興奮したり、よだれを流したり、奇妙な動きをしたりする不思議な植物です。このまたたび、一体なぜ猫をそこまで夢中にさせるのでしょうか。その秘密を紐解いていきましょう。
またたびは、日本原産のキウイフルーツの仲間です。古くからその名を知られており、江戸時代には「猫の酒」と呼ばれていました。当時は猫の娯楽用としてだけでなく、薬用としても用いられていたそうです。
またたびには、「ネペタラクトール」という成分が含まれています。この成分が猫の鼻腔にある受容体に結合すると、陶酔状態を引き起こすと言われています。この状態が、猫の興奮やよだれ、奇妙な動きにつながるのです。
興味深いことに、すべての猫がまたたびに反応するわけではありません。約2/3の猫だけが反応すると言われています。また、反応する猫でも、反応の強さは個体差があります。
ネペタラクトールはテルペノイドという化合物の仲間です。植物が害虫や病原菌から身を守るために産生する成分で、防虫剤や殺菌剤などの効果があります。
またたびのネペタラクトールは、約2~3%含まれています。この濃度は、猫を陶酔させるのに十分ですが、人間には無害な量です。
猫の品種によって、またたびに対する反応性は異なります。以下に代表的な品種とその反応性を示します。
猫種族 | 反応率 |
---|---|
アメリカンショートヘア | 60~80% |
メインクーン | 50~60% |
ラグドール | 40~50% |
サイベリアン | 30~40% |
ロシアンブルー | 20~30% |
一般的に、またたびは猫に無害と考えられています。しかし、まれに以下のような副作用が現れることがあります。
またたびを与えすぎると、これらの副作用のリスクが高まります。猫にまたたびを与える場合は、少量から始め、様子を見ながら量を増やすようにしましょう。
ネペタラクトールの陶酔効果以外にも、またたびにはいくつかの利点があります。
またたびを与えると、猫が落ち着いたり、飼い主とのコミュニケーションが活発になったり、運動量が増えたりすることがあります。また、またたびには抗菌作用や抗炎症作用があり、消化器系の健康を維持する効果も期待できます。
またたびは、猫を魅了する不思議で魅力的な植物です。その主成分であるネペタラクトールは、猫に陶酔状態を引き起こし、興奮やよだれ、奇妙な動きにつながります。またたびは一般的に猫に無害ですが、与えすぎには注意しましょう。適量のまたたびは、猫のストレスを軽減したり、コミュニケーションを促進したり、遊びを誘発するなどの利点をもたらします。
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